【神奈川新聞】近隣住民が誘導、青葉区の老人施設で避難訓練<神奈川県横浜市>

神奈川県横浜市の老人ホームで行われた避難訓練の話題です。


近隣住民が誘導、青葉区の老人施設で避難訓練/横浜:ローカルニュース : ニュース : カナロコ — 神奈川新聞社

 地域住民らが高齢者の誘導を行う避難訓練が26日、横浜市青葉区の老人ホームで行われた。入居者や職員、地元の自治会員、消防団員ら100人以上が参加。夜間に火災が発生したとの想定で、避難経路や搬送方法を確認した。

 訓練が行われたのは認知症の高齢者ら38人が入居する「ケアホーム花笑」(同区しらとり台)。地域住民と協力しての訓練は今回が初めて。同ケアホームでは、夜間は職員2人体制になるという。その時間に災害などが発生した場合、職員だけで入居者を避難させるのは困難なため、地域と連携して緊急時に備えようと企画された。

 訓練は2階の入居者の部屋から出火し、停電でエレベーターが使えないと想定。午前10時15分にスタートし、職員らは「ゆっくりでいいですよ」と声を掛け、各部屋から1人ずつお年寄りの手を取って外へ誘導した。消防団員は担架やいすに高齢者らを載せて階段を下りた。民生委員や女性消防団員は負傷者の手当て、職員は初期消火訓練も行った。

 3階の自室から階段で避難した入居者の中野友作さん(93)は「腰が悪いので普段は階段を使わないが、手すりにつかまれば自力で下りられることが分かった。逃げる経路も確認できてよかった」と安心していた。

 企画の中心となった青葉台南商店会会長の鴨志田保さん(68)は「東日本大震災があり、地域の関心が高くやりやすかった。消防団員同士の意思伝達など課題も見えた。これからも地域と密着した訓練を重ねていきたい」と決意を新たにしていた。